IP電話のIPって何?
IP(インターネットプロトコル)って何?
プロトコルというのは約束事・取り決め・手順といった意味合いのようですから「インターネットを利用するためのルール」と解釈しておけば良いと思います。IPで検索すると多くのサイトでは「IPアドレス」として扱っていますが、私どもでは「IP」と「IPアドレス」は使い分けています。
特にインターネット関連ではIP(Internet protocol)をIPアドレスを指して使ってしまう傾向が強いようですが、これは何だか変な感じがします。IPアドレスというのはIPという基準に基づいたアドレスということで、イコールではないからです。IPアドレスをさらに略して使うのならIPAとすれば良いと思うのですがいかがでしょうか。アドレスだけ日本語カタカナを残しているのは不思議な現象ですが、おそらく西欧圏でもIPAddressと言われているのをそのまま日本語に持ち込んで「IPアドレス」という一つの名詞にしてしまったのでしょう。
では改めて、IPアドレスの前に「ホームページアドレス」から。
ホームページアドレス
今このホームページをご覧いただいているのは、ブラウザーと呼ばれるホームページ閲覧用アプリケーションの画面上です。マイクロソフト社のウィンドウズPCはエッジ(EDGE)、アップル社のPC(Macintosh)・アイホーン(iPhone)ではサファリ(Safari)、アンドロイドスマホではクローム(Chrome)が標準仕様でインストールされているはずです。
そのブラウザーの上部「アドレスバー」には弊社のURLが「www.rimtech.net」と表示されています。スマートフォンでは画面を広く使うため隠されていますが、上部から下に向けてスワイプすれば図のように確認できます。URLという文字列はホームページアドレスの見出しとして一般的には使われています。url:www.rimtech.net/といった具合ですね。このURL、Uniform Resource Locatorの略で、日本語に直訳すると「統一資源位置指定子」とやらになるらしいのですが煙に巻かれるように感じるので「情報の在処を特定するための決まり事」とでも理解するのが妥当ではないでしょうか。www.rimtech.netという文字・記号の組み合わせは世界中に唯一のもので、当社のホームページの所在を表わしているわけです。アドレスの前に「www.」と入っていますが、このWWWはワールド・ワイド・ウェブの略で2010年頃まではホームページを現わすためアドレスの前に必ず入れることになっていました。
現在ではサーバー側でフィルターを工夫したりブラウザーの融通が利くようになったおかげもあり、www.を付さないホームページアドレスもドメイン名のみで動作するようになりました。当社のように2000年以前からホームページを運営していた事業者は殆どwww.付きのアドレスとしています。前図左下のグーグルChromeのアドレスバーでは「rimtech.net」と表示されていますが、カーソルを入れてやると「https://www.rimtech.net」と正規のフルアドレスを見ることが出来ます。www.を使わないアドレスに変更することもできますが、余計な混乱を招いたり不具合が出る恐れもあるため敢えてそのままにしています。Yahoo!やGoogleもwww.を残しています。
IPアドレスとは
IPアドレスには公共空間のグローバルアドレスとプライベート空間のローカルアドレスがありますが、ここで取り上げるのは「グローバルIPアドレス」です。ホームページアドレスはホームページを運営(所有・発信)している主体の名称をローマ字や数字で表す例が殆どで、Yahoo!であれば「www.yahoo.co.jp」とされていますし、ご覧いただいている当サイトは「www.rimtech.net」としています。このアドレスをブラウザーからリクエストすることでインターネットを介してその発信者のサーバーに掲載されているホームページの内容を見ることが出来る仕組みになっています。特殊な例としては「価格.com」など、日本語をアドレスに使用し日本国内のみで利用できるというホームページアドレスもありますが。
インターネットが実用化された初期では現在のようにホームページアドレスをリクエストするのではなく、例えばYahoo!は「183.79.250.123」という具合に1~255までの数字を[.(コンマ)]で区切って4つ並べた数字、つまり「IPアドレス」を使っていました。しかしこのIPアドレスは数字だけの組み合わせのため、間違いが生じやすく分かりにくいなどの欠点があり、名前でも目指すデータサーバーにたどり着けるようにホームページアドレス(オリジナルの住所)をこのIPアドレスに紐付けるように工夫されました。IPについてのより詳しく知りたい方は「日本ネットワークインフォメーションセンター」のホームページでも覗いてみてください。(余計に混乱するかも)
今では検索エンジンで調べ物をすると、このIPアドレスではなくホームページアドレスが表示されるようになりましたが、接続先は全て固有のIPアドレスが割り振られたインターネットサーバーです。前図左はWindowsのMS-DOSプロンプトからYahoo!JapanのサーバーIPアドレスを調べたものですが、前述の「183.79.250.123」がIPアドレスで「www.yahoo.co.jp」というURLがエイリアスとして紐付けられているのが判ります。右側は当サイトのサーバーIPアドレスで「157.7.184.29」です。
試しにブラウザーのアドレスバーにYahoo!のIPアドレス「183.79.250.123」を半角で入力してエンターキーを押すと、図のようにYahoo!のサーバーにつながったのが判ります。Yahoo!のホームページが表示されないのは、クラッカーからのサーバーへの攻撃を避けるためにIPアドレスからはアクセス出来ないように設定してあるためです。先に参考リンク先として挙げた日本ネットワークインフォメーションセンターのIPアドレスは「192.41.192.145」でした。
次の図は弊社のサーバーへIPアドレスでアクセスしてみた画面ですが、ホームページにたどり着くことが出来ずにエラー画面が表示されます。これは利用しているサーバーがYahoo!のような専用サーバーではなく、料金が安く複数のホームページアドレスが同居する共用サーバーのため、当サイトだけに接続することが出来ない仕様になっているからです。もちろん、ホームページアドレスでアクセスすれば何の問題もなくこのページが表示されるので、実用上は問題ありません。
余談になってしまいますが、Yahoo!やGoogleといったアクセス数の多い大手のサイトやクレジットカード・顧客の情報などをデータベースに保存する必要のあるホームページサイトでない限り、専用の固定IPアドレスを持った専用のウェブサーバーは多くの場合必要ありません。事実、殆どのホームページは共用サーバーで運営されています。ちなみに、私どもがホームページ関連業務を始めた20年ほど前は、共用のレンタルサーバーでも年額5万円ほどでしたが、現在では専用サーバーがほぼ同価格で利用できます。
IP電話
IP技術を使ったサービスは何もホームページだけではありません。日本のインターネット環境を韓国並みにまで引き上げるきっかけとなったヤフーBBの「BBフォン」や「スカイプ(Skype)」が有名でしたが、今ではほぼすべてのプロバイダー事業者が対応しているばかりか、フェイスブックやLINEの無料通話もIP電話と言って良いでしょう。
IP電話は大まかに2種類に分類できます。一つはBBフォンなどのプロバイダーが提供する050番号から始まる固定番号に紐付けられたIP電話で、他の電話回線とも受発信できます。私も2002年ADSLの先駆けヤフーBBと同時にBBフォンを契約し使っていましたが、アメリカへの通話料が3分で7円というとんでもない安さにも拘わらず安定した品質でした。(こういった流れによってさすがに日本でも国際電話=KDDIという図式は弱体化しました)
同じくIP技術を使った電話に「ひかり電話」というのがありますが、なぜ呼び方が違うのかといえば光ファイバーを経由する固定インターネット回線に接続されていて、市外局番から始まる固定電話番号を利用できるからです。但しこのひかり電話、月額何千円かのインターネット回線利用料を払わないと使えませんし、ひかり電話同士の通話はNTTの電話回線網を通りませんから無料になっても不思議ではないのに、未だに通話料が別途かかります。(のみならず電話加入権を持っていても割引がありません???)
