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本当にAIは何でもできてしまうのか

AI(人工知能)は決して万能ではない

AI=Artificial intelligence(人口的知能、知性、知力)は人間の仕事を肩代わりし、仕事を奪われて失業する人が増えるだろう。といった話題がささやかれる様になり、戦々恐々としている人が増えているのは皆さんも感じている通りかと思います。それは果たして本当でしょうか?

答えは当たらずとも遠からず。AIに出来ることは確かに数多くありますが、永久に出来ないであろうこともあります。AIには思考能力は残念ながらというよりも当然のごとく備えていません。人工知能・知性・知力というのは知識の範疇はんちゅうであって知恵ではない、正確に言えば人工頭脳ではないのです。

AIの原理を簡単に説明するならば、男女の振り分けが最も身近で理解しやすいと思います。コンピューターに出来ることは、信号がある=ONまたは信号がない=OFFのどちらかを判定するだけですが、ONが女性OFFが男性というように設計すれば振り分けが出来るわけです。

AIの基本原理イメージもう少し複雑な条件分岐を探してみましたが、適当な例が見当たらないので「食べ物の分類」を想定したフローチャート、YES・NO分岐をイラストにしてみました。ある食品(イチゴ)を特定するための相関図を仕組みに取り入れた食品分類用AIの設計図に当てはめたものです。分類したい食品は「植物性」で「動物性」でも「合成食品」でもなく、「果菜類」で「赤色」で「バラ科」に属する=「イチゴ」と分類されるはずです。

この例を設計するに当たって2番目の条件分岐を「野菜・果物・海藻」とするつもりでしたが、果物だと思っていたイチゴが学術的には「野菜」に分類されるという事実を初めて知り、混乱を避けるために「やまむファーム」さんの記事を参考に「葉菜・果菜・根菜」という選択肢を組み込みました。

自動車の自動運転は危険がいっぱい

自動車業界のみならずAIを使った自動運転の技術開発が注目を集め、実証実験が盛んに行われ実車に搭載されて市場に出回っていますが、AIの仕組みが分かってみれば自動運転に応用するためには如何に複雑な選択肢を想定しなければならないのか…という問題を抱えていることが理解できると思います。

事実、現時点では完全な自動運転AIを搭載した自動車は存在しません。日本で販売されている自動車の自動運転装置というのは自動車専用道での車間距離を保ったり、車線をまたいで走行しないよう白線の中央を保ったり。また、一般道では駐車スペースを認識して車庫入れをAIが代行したり、ブレーキと間違えてアクセルを踏み込んでしまった挙動を検知してブレーキをかけるといった限られた機能しか使えません。

グーグルの自動運転路上実験車両がテスト中に死亡事故を起こしたこともあり、運転者が即座に危険回避できない状態での自動運転は禁止されています。技量の差はもちろんありますが、自動車に限らず人間という頭脳を持った運転者が操縦していれば、自分の周囲に起こった異変を感知して危険を回避できる可能性もありますが、AIにはそれが出来ません。例えば周囲で崖崩れや水没など自然災害が発生したり、通常では起こる確率がほとんど無い他者が衝突してくるなどということも確率はゼロではないですし、所詮機械ですから故障だってあるのです。そのようなケースでも人間の頭脳はあらゆる危険回避方法を一瞬で判断し操縦することで事故から逃げる能力を持ち合わせています。

自動操縦が可能なのは、定められた軌道を走行する列車や厳密にルートが管理・モニターされている航空機など、他の移動体が自分のルートに入り込む余地のない交通手段に限られています。AIの果たせる役目は限られているのではないでしょうか。

また、メーカーなど企業ではサポートサービスのテレホンサポート経費を削減するためにAIを組み込んだQ&Aや問合せサポートをウェブ上に配置する傾向が増えてきていますが、ごく単純な疑問を除けば満足の出来る答えにたどり着くことは稀でユーザーサイドは時間の無駄遣いに終わることがほとんどです。質問者の直面している状況を推測する能力が無いので当然の結果ですが…。


カゼにも負けず…黒川ご用水の桜(2020年4月5日)