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http://とhttps://の違いはどこ?


http://とhttps://、どこが違う?

ホームページを見ているとグーグルChromeは別として、多くのブラウザーのアドレスバーには[http://]又は[https://]という文字列が必ず入っています。[http]というのはハイパー・テキスト・トランスファー・プロトコルの頭文字で、ホームページを表わす決まり文句です。ブラウザーはデジタルデータの序文にこの[http]が入っていれば、「ああこれはホームページだな」と判断して[html(shtml htm php cgi等)]というテキストファイルの中身を解釈して画面に映し出します。つまりホームページを見ることが出来ます。閲覧することに関してはさして問題なく長期にわたって利用されて来ました。

ところが2018年頃グーグルがChromeの仕様を変更し、[http]の後に[s]がついていないホームページを開くとアドレスバーに「保護されていない通信」という警告を出すようにしてしまったのです。これに驚いた日本中は大騒ぎになりました。ただし、当初大騒ぎしていたのはChromeを使っていたユーザーの中でもインターネットの仕組みに疎く「ウィルス」という概念に過剰反応する方々であったように思います。Chrome以外のブラウザーでは、カギマークに[!(感嘆符)]が付いているだけでしたから、それほど注意を払う人が多くはなかったようです。私たちは従来通り[https]ではないサイトも普通に閲覧していました。

http://とhttps:// 挿絵は私の古いブックマークからアクセスした「Vector」のトップページですが、[http]で記録されていたため「保護されていない通信」となってしまいました。これはホームページの記録されているデータへダイレクトにアクセスしているからです。セキュアフィルターを使いたければ、[http]の後ろに[s]を追加して、[https://www.vector.co.jp/]でアクセスすればカギマークに変わります。他のサイトでも試すことが出来ます。

この最後に付いている[s]は[secure]の頭文字で、ホームページとの通信つまり情報のやり取りを暗号化してますよ、ということだけの違いです。噛み砕いて言えば、クレジットカード情報など個人情報を入力フォームに記入しても、通信途中で第三者に読み取られる危険性が少なくなっていますよ…ということです。例えば皆さんの場合、かなりのホームページを見ていたとしても、全てのページで個人情報を入力しますか? 興味のある情報を閲覧しているに過ぎません。この段階では別に暗号化通信でなくても構わないのではないでしょうか。買い物とか会員登録で個人情報を送信する際には暗号化されていることが最低限の安全を確保する条件ですから、多くのショッピングサイト等では対策済みですし金融関連のホームページ等ではより複雑な2段階認証も導入されています。

電話の盗聴を考えてみましょう。旧来のアナログ電話回線は全て「電線」という物理的な回線を経由していましたから、電話線の露出部にワニ口クリップで電話装置を繋いでやるだけで盗聴が可能でした。しかしADSL回線は別としてFTTH(Fiber To The Home)回線の場合はサーバーとローカルコンピューターが光ファイバーで繋がっています。光ファイバーで通信しているデータを覗き見るなんて芸当は不可能と言っても過言ではありません。光ファーバーを露出させてワニ口クリップのような手段で分岐させることが出来ないからです。

危険にさらされるケースとして考えられるのは、モバイル端末を外出先のフリーワイファイ(Wi-Fi)で利用する時に限られます。Softbank・AU・DoCoMoなどキャリア系Wi-Fiは別として、無料Wi-Fiは誰でも使えるという利便性と裏腹に電波の発信源であるWi-Fiルーターに侵入することが可能、つまりルーターを通じて他人の端末を覗き見ることも出来ます。ましてやスマホなどセキュリティが無いに等しいのですから、httpアドレスのホームページに対して個人情報の入力は絶対に控えるべきです。先ほど光ファイバーインターネットは外部侵入が困難と書きましたが、集合住宅タイプで宅内まで光ファイバーが繋がらず、集合装置から宅内までを電話線で繋いでいるケース(疑似FTTH)は危険性を孕んでいます。

ホームページを発信する側からみても、グーグルの検索結果にSSL化([s]の付いた)されたサイトが検索順位に影響を与えるようになったため、一般的な人が訪れることのない専門性の高いサイトを除いて[https]でアクセスできるホームページも増えてきました。


カゼにも負けず…黒川ご用水の桜(2020年4月5日)