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トップデジタル用語>IT・ICTを解説

IT・ICT・IoTを解説してみましょう。


2010年代初め頃からIT(Information Technology)とかICT(Information and Communication Technology)という略語がやたらと目立つ社会になり、IoT(Internet of Things)などという略語までもがさも「新しいのだ」とでも言わんばかりに独り歩きし、私たちのようにインターネット関連に携わる者を除けばなんとも理解しがたいのではないでしょうか。

IT? ICT? IoT? 最後に挙げたIoTは「インターネットに繋がる家電など」ということで分かりやすいと思いますし私の専門外なので割愛して、デジタル技術によるコンピューター(電子計算機器)によって進化したIT・ICTとは何か、さらにこれらの応用技術で最近のトレンドの様にもてはやされ何でも出来てしまうと思われているAIなどの用語も復習を兼ねて整理してみます。

ITなどと言うから分かったような分からないような事になる。

日本語で「情報技術」と言ってしまえばそれまで。情報技術というのは何か?と考えてみれば「情報を上手に利用するための技術」と、簡単に理解できますね。

ところが「ITとは?」で検索してみると、コンピューターやインターネットを使って云々…という言葉が必ずと言っていいほど溢れかえっていて、成功した例としてGoogleやYahoo!やTwitterが列記されています。恐らくITというアルファベットから短絡的にインターネットを連想して狭義な解釈が広まってしまった結果でしょう。

しかし、ことさらにコンピューターに結びつけなければいけない訳ではないと思いませんか。言葉や文字を連絡手段に使うのは立派な情報技術ですし、電話も写真も絵も動画も彫刻だってITと言えるのではないでしょうか。

図書館は情報技術の見本 例えば、図書館では本を探しやすくするため分野別や作者別・年代順などで分類し、目次を作成して検索しやすくしています。まさに情報技術ですよね。会社を経営する際には会計処理が必要不可欠。収支バランスや原価率の計算なども数字の情報処理技術と言って差し支えなく、家計簿もしかりです。以前はそろばんや計算機を使って計算していた手間を、コンピューターで動く表計算ソフトで簡単に行えるようになりましたが、原理はペーパーの帳票時代のままで基本構造は変わっていません。紙媒体で行っていたアナログ処理がコンピューターというデジタル機器を仲介する処理に置き換わったに過ぎないのです。

洗濯イメージ新旧 例として相応しいかどうかはともかく、洗濯という作業も昔は河原で石にたたきつけたり洗濯板を使って人力で行っていましたが、現代では電気洗濯機というデジタル家電に置き換わってきたようなものではないでしょうか。

コンピューターは情報を数値化することで順列化し、これによって優先順位を持たせることが可能となりました。また、マイクロソフトのアクセスを初めとするリレーショナルデータベースという考え方が出現することで、例えば図書館で特定の本を探す際、分野・作者・年代などあらゆる尺度を比較してターゲットにたどり着くことが可能となり、利便性が遥かに向上しました。ITはアナログ処理をデジタル技術を用いることで飛躍的に進化しましたが、基本となる考え方自体は結局アナログであると思いませんか。

ICTはITにCommunicationが絡んだだけ。

Information and Communicaion Technology=情報伝達技術。もうお分かりですね、そう手紙・電信・電話のみならず、書籍・新聞・テレビ・ラジオなど全てのメディアが当てはまります。現代的・近未来的なことでも何でもなく、人類が言語という伝達手段を使い始めた太古の時代からICTは存在し、私たちは使いこなしていたのです。一般には情報通信技術と解釈するのが主流のようですが、通信だけに絞って捉えるとインターネットや電話などの通信機器を仲介した手段のみがICTなのだと狭義に解釈される人が多いため、あえて情報伝達技術という日本語を当てはめて考えるのが妥当でしょう。その方が見落としや間違った早合点が無くなるからです。

伝達手段もアナログからデジタルへ 現代の報道メディアやインターネット上にはやたらとICTの文字が氾濫しています(特に日本語の説明が苦手なN○Tグループは使いたがる傾向があるようで…)が、情報伝達技術と和訳して考えてみればそれほど大したことではなく、過度の期待をする必要もないと思いませんか。

その情報伝達技術の方法にコンピューター等のデジタル技術を上手に応用すれば、従来のアナログ伝達方法の限界や垣根を超えて大容量・高速・長距離化し、時間ロスのない伝達手段となります。ただし、有効なデジタル化を図るためには基本となる情報伝達技術を理解し正しく使いこなす能力が必須条件です。机上の理論だけで構築された仕組みは、アナログがベースの私たち人間にとっては使いこなすのが面倒くさい代物となってしまいます。デジタルやコンピューターの机上技術だけで開発されたシステムは実際に使ってみると時間や経費の無駄が多すぎることがまゝあり、これを回避するためには現実の人間社会を的確に見据える能力を備えた人材が介在することが最低限必要ではないでしょうか。